今回は、テテマーチ株式会社の松重氏をゲストに迎え、Instagram運用の成果を可視化する「SINIS for Instagram(サイニス フォー インスタグラム)」についてインタビューをしました!
テテマーチ株式会社
取締役松重 秀平 氏
2015年6月に創業したテテマーチ株式会社にてSNS事業部の立ち上げを行う。 現在は、サブスクリプション型のSaaSであるInstagram分析ツール「SINIS for Instagram」とTwitter分析ツール「SINIS for Twitter」の統括及び、SNSの研究チーム「サキダチラボ」の所長を務める。
業務効率化を求める声が多い
ーー「SINIS for Instagram」の導入を検討される事業者様からよく頂くお悩みなどはありますか。
「SINIS for Instagram」の導入を検討される方は下記の通りです。
- 代理店様
- 事業者様
代理店様と事業者様に共通して求められているのは、「業務効率の改善」です。
SNS運用をしている事業会社様の場合ですと、運用結果を会社に報告をします。代理店様の場合ですと、お客様に報告をします。その場合、レポーティングが必要です。これまでのレポーティング作業は、Instagramのアプリ上からデータを手入力で集計して、そこからレポートを作るという流れでした。この方法だと、工数がとてもかかりますし、入力漏れも起こりやすく大変でした。この状況を改善するために作ったプロダクトがSINIS for Instagramです。
「SINIS for Instagram」を導入することによって、自社データの可視化がしやすくなりますし、データを簡単にダウンロードすることができるので、レポーティング業務も効率化できます。事業会社様ですと、キャンペーン参加者の管理やアンバサダー探しなどで業務効率の改善が可能です。
代理店向けの制度で「パートナー制度」(=SINIS PARTNERS)というものがございます。こちらは、Instagram運用を支援している代理店様をパートナーとして参画いただいております。「SINIS for Instagram」の有料プラン費用は、月1万円または5万円なのでキックバックはありません。代理店様として金銭的メリットはありません。しかし、代理店担当者はInstagramの最新動向や不具合について担当している事業会社のお客様に聞かれても、相談先が無く困っているという声を多くいただきます。そこで、参画いただいたパートナーの代理店様には、私たちが持っているInstagramの最新情報やトレンドをご提供させていただくことで、営業活動や運用支援のサポートをさせていただいております。
「SINIS for Instagram」を導入するメリットは主に業務効率の改善ですが、それ以外にテテマーチ株式会社の持っているナレッジを得られます。Instagramの運用担当者が社内に何人もいる企業は多くありません。孤独でやっていらっしゃるご担当者様が多い中でナレッジを得られるのは、非常に良い評価をいただいております。
Instagram運用の成果を可視化する「SINIS for Instagram」
画像出典:SINIS for Instagram
ーー「SINIS for Instagram」について教えてください。
「SINIS for Instagram」は、Instagram運用の成果を可視化するInstagram分析ツールです。 具体的には、
- フォロワー数の推移の確認
- フォロワーの年齢・性別の確認
- ハッシュタグをいいね順で並び替え
- フィード投稿を様々な指標(エンゲージメント率や保存数等)で並び替え
- ストーリーズを「リーチ数」順などで並び替え
- 投稿したリールを「再生数」順などで並び替え
等、無料プランでもInstagram運用に必要な基本的な分析機能がありますので、 データに基づく効果的なアカウント運用が可能です。有料プランでは、日数に縛られずに「SINIS for Instagram」登録以降に収集した全てのデータを無期限で閲覧可能ですし、他社アカウントのデータを自動収集し比較することができるなどさらに細かい機能を使用することができます。
様々なデータを取得することで、効果的なアカウント運用ができデータを簡単にダウンロードすることもできるので、業務効率化に繋がります。
ーー商材のジャンルによってSNS受けをするかどうかの良し悪しはありますか。
もちろんあります。 SNSの中でもInstagramやTwitterやTikTokはそれぞれ特徴があります。
Instagramは、写真でコミュニケーションをするものなので、写真をとりたくなるような、モチベーションが上がるシーンが向いています。素敵なレストランのお料理とか投稿したくなりますよね。調味料系も合います。「料理をした時に、この調味料を使っておいしかった」とか、そういったものは相性が良いです。
一方で、アフィリエイトが得意とするコンプレックス商材は合いません。 「これ使ってめっちゃやせた!」や「すごい毛が抜けた!増えた!」というのは普通の人は投稿したくないですよね。そのため、Instagramは向かないと思います。
活用性の高い機能と安心の活用環境が強み
ーー競合他社様と比べた際に、「SINIS for Instagram」の利点はどういった点だとお考えでしょうか。
一つ目は、SNS運用担当者に寄り添った機能の実装を徹底していることです。
私たちは、社内でSNS運用をしているチームがいます。 そのため、SNS運用担当者が運用時に「あったらいいな」という機能を考えられるため、SNS運用担当者がほしい機能を実装することができています。例えば、
- 「どんなデータが見られると使いやすいのか」
- 「何と何のデータをいっしょに見たいのか」
- 「どういう機能があると実業務で便利なのか」
というところを、弊社では実際にSNS運用をしているチームがいるので、考えて機能に落とし込むことができます。
具体的な機能でいうとレポートの自動生成機能を去年リリースしました。 分析データをPowerPointのスライドに自動的にまとめられる機能です。 PowerPointのスライド形式でデータをまとめてクライアントに出す事業者様が多かったため、PowerPointに落とし込めるよう開発しました。この機能で、非常に工数のかかるレポーティング業務を効率化させることができます。この機能は、代理店さんに特に好評です。
二つ目は、安心して使っていただける環境ができている点です。
Instagramは、アプリ内の変化が激しく、新しい機能が増えたり減ったりしています。 そういう最新情報やAPIデータ提供元の不具合が起きた場合などに、「SINIS for Instagram」でエラーが起きているのはアプリ側の不具合のせいなのか、「SINIS for Instagram」のせいなのかをいち早くキャッチアップしてすぐにメールでお知らせすることを徹底しています。そのため、お客様も安心してお使いいただける環境が作れています。
SNS運用の効果が最大化される4つのおすすめ機能
ーー「SINIS for Instagram」を効果的に活用する秘訣があれば教えてください。
「SINIS for Instagram」を効果的に活用するために、おすすめしたい機能は以下の通りです。
- 比較機能
- 競合ベンチマーク
- PowerPoint自動生成
- ハッシュタグ調査
比較機能
「SINIS for Instagram」は有料プランを使うと、比較機能が使えるようになります。 この機能の活用は非常におすすめです。
具体的には、過去と現在のデータを比較することができます。過去データを比較することによって、現状が良いのか悪いのかが分かります。フォロワー数だけでなくフォロワー属性のデータも確認することができます。
競合ベンチマーク
競合のベンチマーク機能の活用がおすすめです。 自社のライバルアカウントを登録しておくと、
- フォロワー数の推移
- 月の投稿数
- 投稿の中で一番いいねがついている投稿は何か
を見ることができます。
上記のデータから、例えば以下のようなことが分かります。
- 競合と比較してフォロワーの伸びはどうだったのか
- 自社アカウントで一番いいねがついていたコンテンツと競合に一番いいねがついていたコンテンツの共通点は何か
- 自社では気づかなかったがこういったコンテンツも反応が良いのか
ということも気づきとしてあると思います。
上記のような気づきを得られる点から、ベンチマーク機能を活用して他社のクリエイティブを参考に自社のコンテンツ作りに活かす企業様もいらっしゃいます。
その他、会社への目線合わせとして活用されることも多いです。 例えば、高すぎる目標を設定されたときに、高すぎる目標であることは自分はわかっているけど、それを説得できるほどの材料がない場合に、競合データを見せると「あのブランドですらこの伸び率なのに、この目標設定は自社にふさわしいのでしょうか」と伝えることができます。このように、「会社への目線合わせとしての活用に便利」とお声をいただくこともあります。
PowerPoint自動生成
自社やお客様にSNSのアカウント状況をアウトプットする際にとても便利な機能です。 SNSのデータ(例:フォロワー数・ユーザー属性・エンゲージメント数 等)を自動で集計して、「SINIS for Instagram」の管理画面からボタンを押すとPowerPointのスライドにまとめたデータを出力してくれます。すぐに使える分析レポートを自動作成できるので、レポーティング作業の業務効率化を実現することができます。
ハッシュタグ調査
「ハッシュタグ調査」とは、指定したハッシュタグの投稿数や内容を確認することができる機能です。
特定のキーワードのハッシュタグを登録しておくと、そのハッシュタグがつけられたInstagram投稿を自動で収集してきて、日ごとに何件くらい投稿があったのかをどんどんストックしていくことができます。その他、具体的にどんな投稿だったのか、どの投稿にいいねがついていて、コメントがどれくらいついているのかをストックすることができ現状を理解することができます。昨今、UGCを重要視する企業が増えていますが、弊社の調査でもUGCの発生数とGoogleの指名検索数には相関関係がある事実も見えてきています。口コミが起きやすいブランドさんにおすすめな機能です。
成果を出すコツは正しく数値と向き合うこと
ーーInstagram運用で成果を出すコツがあれば教えてください。
①数値と向き合うことです。 今でも、「Instagramの運用はセンスだ。」と思っている方が一定数いらっしゃいます。 SNS運用はコミュニケーションです。コミュニケーションは数値化できます。 それを計測しながら、「どんな投稿をした時に評価されるのか」を理解しましょう。
Instagramのアルゴリズムは、「フォロワーから評価されているものは他の人にも見せた方がよい」となるので評価されやすいです。このアルゴリズムに気を取られて「エンゲージメントを上げよう!」視野が狭くなりがちです。しかし盲目的にエンゲージメント数だけを追うのではなく、「自分たちは誰に価値を届けたいのか」、「自分たちの顧客にとってフィードの保存や、ストーリーズの再生数はどういう意味を持つのか」をよく理解して、ユーザーの反応と向き合うことが大事です。
②短絡的な数値ばかりを追わないようにしましょう。「とりあえず、フォロワー数を増やす!」など、短絡的な数値ばかりを追わないように目標を設定しましょう。短絡的な数値ばかりを追った結果、例として下記のようなことが起こりえます。
「キャンペーンたくさん実施したことでフォロワー数がとても多いが、ビジネスと関係ないフォロワーが増えてしまい、投稿しても1万人フォロワーがいるのに20いいねしかつかない」
この場合、アカウントとしての評価が下がってしまいます。 フォローされるだけが価値ではありません。「自分たちのお客様はInstagramでどういう情報をどのアカウントから受け取っているのか」を考えましょう。
例えば、Instagramアカウントは世界観だけで、最後の信頼ポイントで「やっぱり素敵なブランドだった。」というのが伝われば良いアカウントの場合、フォローしてくれなくても、最後に「素敵だった。」という落としどころがアカウントにあれば良いと思います。
その他、Instagram内でユーザーの口コミが大量に発生していて、それを見たユーザーが、気になって公式アカウントにアクセスしたら「やっぱり素敵だ!」と思い購入まで繋がっても、結局フォローはされないというケースもあります。そのため、自社が最終的に目指したいゴールや、そのためにどの数字を見ていくのかはしっかり考えた方がよいでしょう。
ユーザー体験をベースにしたKPI設計が大切
ーー多くの企業はどのようなKPIを追っているのでしょうか。
テテマーチ株式会社では毎年1回、Instagram担当者様にアンケート調査を行っています。 一番はフォロワー数をKPIとされている企業様が多いです。その他、フィード投稿に対するエンゲージメント数やコメント数(DM数)も見ているケースが増えています。Instagramは、いろんな機能が増えてきて測れるものが増えているので、KPIをどう立てるのかはしっかり考えた方がよいです。例えば、フォロワー数の増加をKPIとしたときに、それだけを必死に追って、実際にフォロワー数が増えてたとしても、ビジネスに繋がるかどうかは別の問題です。
ある程度フォロワー数があるアパレルブランドさんは、保存数をKPIとすることがおすすめです。保存機能はInstagramの利用者からすると、欲しいものをブックマークすることにあたります。購買意欲が高いユーザーがどれだけコンテンツにたいしてアクションしているのか測るとすると、保存数が大事になるので、アパレルブランドさんにはおすすめです。
「自分たちのターゲットがInstagramをどうやって使っているかどうか」「~ジャンルの商品を購入する時に、Instagramへはどういう接触をしているのか」をまず理解し、それぞれのアクションがどういう意味合いを持つのかを分解した上で、KPIを立てると良いでしょう。
購買行動の中で全部がInstagramと接触しているわけではありません。 購買までのステップが5個あるとしたら、2番と4番でInstagramと接触している。2番で接触しているのは、公式アカウントではなく、ユーザーの口コミ。4番では公式アカウントで確認している。など、このようなことが分かると、
- この接触で、欲しい情報はどんな情報なのか
- どんな情報をあげると後押しできるのか
- ユーザーの口コミはどうやって増やしていこうか
など、考えていくことができます。Instagramにフォーカスしすぎるとどんどん目線が狭くなってくるのでハックすることばかりに気を取られるのではなく、ユーザーの体験ベースで考えるとよいでしょう。
業務効率化から社内調整も円滑にする
ーー「SINIS for Instagram」を導入されているお客様の改善事例を教えてください。
3プランの特徴について
ーー「SINIS for Instagram」は料金プランが3つ用意されていますが、どういった基準でプランを選択するべきでしょうか。
LITEプラン(無料プラン)では、Instagramのデータと触れ合う機会を作ってほしいと思っています。
LITEプランはずっと無料で使えます。 フォロワーの増加推移や各投稿のエンゲージメントを見ていくと、伸びている日と落ちている日の投稿の違いが見えてきて、Instagram運用はセンスではないことが分かります。Instagramは感覚的に運用されがちですが、LITEプランでは定量的に向き合う癖を付けていただきたいと思っています。
LITEプランには機能の制限があります。
先程ご紹介した、競合分析機能などは使えません。(その他も含む、)「SINIS for Instagram」では登録していただいてからずっとデータを溜めていくことができます。そのため、一年前に登録したアカウントは一年間のデータを蓄積することができます。しかし、LITEプランは最新45日分のデータしか見られません。
月額1万円のSTARTERプランと月額5万円のPROFESSIONALプランでは、登録後からのデータが全て見られるようになります。そうすると、半年前と今のデータの比較ができたり、先月や今月のデータ比較をしたりすることができ、より高度な分析ができます。
PowerPointの自動生成機能や競合のベンチマークについても月額1万円のSTARTER以上から使えますので圧倒的な業務効率化に繋がりますし、クライアントや上司との目線合わせに活用することができます。最後に、月額5万円のPROFESSIONALプランは、先程ご紹介したハッシュタグ調査が活用できます。
- 自社ブランドの口コミがどれくらい起きているか
- どんな口コミがおきているか
- ブランドの紹介を誰がしてくれているのか
というのを確認できる機能が実装されているので、口コミが多いブランドさんはPROFESSIONALプランがとてもおすすめです。
SNS運用の成果を最大化させる取り組みを継続
ーー最後に、「SINIS for Instagram」導入を検討している事業者様にメッセージをお願いいたします。
私たちは、引き続きInstagramをはじめとする各種SNSの支援を行っていきます。 日々進化するプラットフォームと向き合い、Instagramマーケティングの新しい取り組みを実施していきたいです。
「SINIS for Instagram」はSNSの支援実績を活かして、お客様にとって「Instagram運用時に使える機能」「Instagram運用に向き合いやすくなる機能」を考えて機能の実装をしていきたいと考えています。
現時点で今後の実装計画にある機能は、弊社に蓄積されたインサイトデータを活用した指標表示機能です。「SINIS for Instagram」は、日本最大級の46,000件以上のアカウント連携数を誇り、多くのインサイトデータが溜まっています。このデータを活用して、例えば「この業界だったら、このくらいが平均ですよ。」という指標を示します。このように指標を示すことができると、Instagram運用に向き合いやすくなると思います。さらに、機能の実装だけではなく、Instagram運用に役立つ補助コンテンツ(ナレッジコンテンツ)も届けられるようにしていきたいと思っています。
その他、テテマーチ株式会社では、2022年11月にTwitter分析ツール「SINIS for Twitter(サイニス フォー ツイッター)」をリリースしました。 現時点では、無料版のみの提供となっておりますが、今後機能を拡張し有料版の提供も検討しています。私たちは、Instagramと同じくらいTwitterの活用支援も行ってきました。このナレッジを活かして「SNS運用担当者の方はどういうことができると便利にTwitterと向き合えるのか」を考えて、機能拡張を行いSNS運用担当者様へのご支援をさらに広げていきたいと思っています。
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